私がホームレスになったのは春先のことだったのだけれど、あれが真冬や夏の盛りだったら多分今頃生きてはいなかっただろうな、と冬が来るたび夏が来るたび考える
あの時知り合った極限に金のない者たちの中の、元美容師という子が言っていた「寒くてしにそうな時は、どっかの電源借りてドライヤーで15秒くらい首の後ろあっためると結構しのげるよ!」という言葉も、髪を乾かすたび思い出すドライヤーだけは手放さないと言っていたあの子は今もいいドライヤーと一緒にいるだろうか
凍えなくて飢えなくて大事なものを手放さない生活が誰にでも絶対にあるべきなのに、あれから十数年経っても家を失うものは後を絶たず、それどころかこの社会は苦難の中にある生を「ディープ」と切り離し値札を付けて売り捌こうとしている最悪だ。最悪だ。最悪だ。
売り捌こうとしている、ではないな売り捌き続けている、が正しいかなり昔からそういうものはあった「ディープ」を求めて皆よくインドだのタイだの飛んでいたね差別はいつでも金になる
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