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梟 

じっくりと上下関係の中に生まれる絆や人と人が繋がっていく様子を描き、コミカルなシーンで笑わせてくれる前半…からの、後半は主人公と秘密と視界を共有しながら思わず息を止めて観てしまう怒涛の展開。最後まで釘付けでした。
予告で提示されてる謎はわりと序盤でわかるので、問題はその秘密を抱えたままどう立ち回るのか?ということ。
史劇なので立場の弱い人間の告発は死に直結してしまう。一歩間違えば家族もろとも殺される。そんな中で正しさを示すのか、身の安全を優先するのか…その決断に前半の人間関係が効いてくる。
殺される世子がまっすぐでいい人で、予告の段階で殺されるってわかってたのに悔しくて、嫌で嫌で仕方なかった。
立場が弱い人間の告発の難しさを描く中で「見えないから見ない」「見えるけど見ない」がどちらも描写されてたのもおもしろい。
盲目じゃなくても、私達の誰もが日常の中で見えないふりをしている。
ラストカットはこの作品を楽しんだ自分も責められているような錯覚に陥るくらい、撮り方がうまかった。

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