東京都現代美術館の話題をチラホラ見ていたけど、これかあ。美術館が志を貫いてくれて本当によかった。
しかし今このとき、「あ、共感じゃなくて」というテーマはめちゃくちゃ心惹かれる。主に10代に向けて……を主眼とした展示らしいけれど、“共感” がコミュニケーションツールの大半になってしまったような大人が見ても揺さぶられるだろうか。私は現代美術は「わかんないなー!」となっちゃうことも多いんだけど、じっくり時間をかけて対峙して初めて、交換するものがあると感じている。
もちろん大人もガンガン見に行っていいのだが、興味を持っている若い人たちがゆったりと鑑賞できたらいいな。
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/empathy/
私の相棒が卒業する日が一日ずつ迫ってくる。寂しいのと引き継ぎの必要とで前よりたくさん喋っていて、そうすると自然と私たちの好きなものの話になる。
読書と芝居。かっこいいと思うもの、滅ぼしたいもの、映画、高校時代の風習、オフィス周りでどの店が好きだったか、これからどこに行きたいか、次の仕事の話、前に担当していた案件の話など。もっと早くこういう情報を交換しておいたらよかったね、とお互いによく言う。だよねーと答えながらナンをちぎったり蕎麦をすすったりする。
退職しても連絡をとってご飯を食べたり映画を観に行くことはもちろん可能だし、家も近いし、ほんとに偶然図書館で会うかもしれない。イオンで出くわすかも。でもそれは私の日常ではない。私の日常は今あなたと仕事をするところにあって、私が今ぼんやり怖いのは「それをなくしてもやっていける」ことなのだ。
頑張ってほしい。でもさみしい。やだなー。自分がわがままで嫌だ。
ここは流れない水