2024年12月12日|mnemosyne https://sizu.me/mnemosyne/posts/ve30evcmn22n
子どものころに買ってもらった本の多くは、わたしにきょうだいがいなかったので、母方と父方のいとこ10人のうち、わたしより年下の9人に渡ったが、子ども心にも考えさせられる内容で、重い、暗い話の本は「読んで、読んで!」という気分にならなかったせいで、いまも手許にある。そのなかで頻繁に読み返すのは『灰色の畑と緑の畑』(ウルズラ・ヴェルフェル 作、野村泫 訳)。もっているのは1970年の初版で岩波少年少女の本28。単行本で、紙の函に入っている。
まえがきには
ここに書かれているのはほんとうの話である。だからあまり愉快ではない。これらの話は人間がいっしょに生きることの難しさについて語っている。(中略)ほんとうの話はめでたく終わるとは限らない。そういう話は人に多くの問いをかける。答えはめいめいが自分で出さなくてはならない。これらの話が示している世界は、必ずしもよいとはいえないが、しかし変えることができる。
とある。
この本はのちに岩波少年文庫で1981年と2004年に刊行されたが現在は品切れ。ひとりでも多くのひとに読んでほしい。とはいえ、こうした話は知っておかなくてはと思う反面、読むのはつらすぎるとか、同じような経験をしていてフラッシュバックすると困るとかいうこともあるかもしれないので、下記の版元の説明を読んでも大丈夫そうなら古書か図書館の蔵書を手に取ってみて、と身近なひとには話している。岩波少年文庫ではフェアが毎年あるが、いつかぜひ復刊してほしい。
2024年12月10日|mnemosyne https://sizu.me/mnemosyne/posts/o1x2sh7vhbue
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