『天国の日々』観た
マジックアワーの美しさが捉えられている映画だと聞いて。
映像美。悠然と広がる自然の美(とはいえ農場だから人工ではあるが)があまりに神々しく、人間の過酷な生活も小ささも取り込んで、煌めきのように見せてしまうと同時に、人間のどうしようもない弱さ愚かさも際立たせているようで、とても悲しい映画だったな。
人間は半分が天使で半分は悪魔だから、元々この天国はかりそめのものだったのだろう。人間の愚かさと本当の自然の野蛮さが同時に襲う様子は、まさに天国の崩壊と言う感じだった。皆自分の愚かさをどこかわかっているから浮かない表情で、それでも変わることができずに進んでしまう哀しみ。やるせない。
しかし、夕暮れの小麦畑とはこんなにも惹きつけられるものなんですね。哀愁のある美しさ。とても良い。明るめから暗めまで、夕暮れの光、マジックアワーの自然光を捉えた映像の中でも、特に人々が活動する引きのショットが素晴らしくて、いつまでもその景色に浸っていたくなる。