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『マネーボール』観た

プロスポーツとしての野球において、この作品で注目されるのは契約金や統計という「数字」。資金力や試合の統計データで勝利は決まるのか?いや数字で人やものごとは測れない、という一方で、数字で測るからこそ見えてくる評価や長所もある。そして、数字で見えたものの先を越えるものに遭遇することがあるから、野球や人生は奥深いというところまで行く。数字を軸にして、勝利、球団運営、成功、さらには人生の悲喜交々についての考え方の揺らぎに乗せられる観る映画で、面白かったー。

しかし、プロで挫折した経験あるGMが弱小球団を立て直す話だからというのもあるけれど、もうずーっと、ずーっと空気が重いんだよね。やってやるぜ!ではなく、とにかく辛く苦しい雰囲気。成功に踏み出し輝く瞬間、喜びの時にすら不穏な空気がまとわりついている。これはプロスポーツが抱え続けている重圧の陰惨さを映しているんだろうな…と思ったら、これの後に監督は『フォックスキャッチャー』を撮っているのか。なるほど…。でもこういう闇深さを描こうという視点、雰囲気、好きなんだよね。

ジョナ・ヒル演じるピーターの、熱量低め(でも理由を説明するときのナードっぽさがいい)だが確実に色々感情があるんだよという具合がとても良かった。救い。

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