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『異人たち』観た

山田太一の原作小説だけ読んでいる状態で観た。
原作の切なさとはまた違った切なさを加えた、より切なさが広がっている大胆な翻案だと思うと同時に、しっかり原作のままでもある感じで、大変良かった。

詳しいことは避けるけれど(知らずに観る方が絶対いい作品!)、親とも恋人とも分かち合えない絶対的な孤独があって、それでもそれを抱きしめて欲しいし抱きしめる、ということを描いていて、切ないけれど強い優しさがある作品だなと感じて、後から後からじわりと心に沁みている。孤独は孤独としてそこにあり続ける状態を描いてくれるのが好きだし、やっぱりその点がとても信頼できる監督だなぁ。

主人公が、母親父親それぞれと会話する場面で際立つ絶対的な孤独にハッとするのだけど、その後にそれでも抱きしめ抱きしめられたいというあの想いに泣けるし、それがあってからの恋人に向かって言う、ここにいるじゃないか抱きしめるよという優しい切なさがたまらなかった。それぞれの世代の違いからも生まれる感覚の切なさ疎外感も描いているのも上手いし。

ひとつだけ同性愛、ゲイが社会的にどう扱われていたかは意識しておくと、より孤独感の深さを感じられてよさそうだと思いました。

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