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『RHEINGOLD ラインゴールド』観た

実在のクルド人ギャングスタ・ラッパーの成り上がり物語に着想を得て。いきなりイラン革命でのクルド難民の闘争から始まるのがもう壮絶。なのだが、その後は流れるようにジャンルを横断する感じが楽しい。なにせそこからめちゃ売れたラッパーになるので。

上流階級だったはずが、亡命、家族の軋轢、不良、ギャングへと凄いスピードで突き進んでいくのだが、主人公"カター"(危険なやつ)がどこか素直であっけらかんとして超絶行動力があるのと、ちょっと乾いたユーモアある描き方なのが面白い。ギャング生活は特にコミカル。でもこの流れるような楽しさの中で、難民の苦難や貧困、各国の社会情勢に生き方など読み取れるようになっていて。そういうのも面白さのひとつなんだよね。
音楽への熱は細々と持ち続けているよう(音楽を学びに行くのはマジで感心した)、いやでもちょっと流されすぎじゃね?いつラッパーになるのだ…と思いつつ、最後にはああこの人生だったからこの音楽なんだ!という地点にたどり着く、ちょっとした感動と高揚がある。CDを愛おしく持つカターの姿よ。

そんな下品なリリックを書く子に育ててない!ってイマジナリー母ちゃんに言われ書きなおすのが好きです。カター、本当に素直。

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