『異人たちとの夏』読了
映画の予習に。
手放しの愛情でも、含みのある感情であっても、「自分を大事にしなよ」と言ってくれたから、これからも生きようと思えた、孤独な男に訪れたひととき。"異人"との触れ合いであることに哀しみと寂しさがあり、でもこんなにも温もりを感じもする。疑い恐れながらも、心地よさに喜ぶ姿、その心にほろりとする。良い物語だった。
ファンタジックであっても、主人公の心理や心情が実感しやすく、情景も浮かぶようで、上手な脚本家の手による文章はこうなのだなと思う。ケイだけは安直ではないの?とどうしても思ってしまう。であっても、この切なさと温かさは良いものだ。
アンドリュー・ヘイがこの温かいセンチメンタルをどう翻案しているのか、とても楽しみですね。