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『ボーはおそれている』観た
帰りたくない実家に帰るときの長い長い精神の旅路で、母親と息子という関係の呪い、相互加虐についての自虐セラピーの結果出来上がったものがこれです、という感じか。正直映画の内容自体より、というか内容を踏まえた上で、これを作る人間としての監督の方に興味が深まるよ。
面白くはあった。ストーリーは難しくないのだけど、とにかくボーがとことん直面する受難の状況の羅列という感じなので、一つ一つは悪夢的で面白いのだが、展開の連なりとしてどうも映画的緊張感が無いように思えて少し退屈だった、個人的には。興奮や楽しさが足りない感じ。観る前に、ユダヤ人としての暗喩的だという話を見たので、言われてみればそうかもなぁと思いながら観る部分もあった。
最後の実家パートで結構直接的にこういう話です!と切れ味鋭くなり面白かった。親子の関係に留まらず、人間観へと広がっていく感じがするのが良いよね。罪悪感とか、愛とか誠実さとか言ってもね、こんなもんですって感じ。ですよね。不快には感じず爽快感はある。でも、表現の程度がすごいので、監督こんなに深刻そうで…大丈夫か?とはちょっと思う。

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