『ある少年の告白』観た
ある出来事を契機に、キリスト教系LGBT矯正施設へ送られた青年の苦悩と告発。実話ベース。
主人公の動揺・苦悩と闘いを見つめながら、施設の実態と彼に何が起きていたかを知るミステリー的要素も。キリスト教の牧師家庭で、父親・母親・息子が各々の立場で教義と心情に苛まれ、関係が歪んでいく様は見応えがり。皆上手いし、視線など内心の表現・撮り方が安定していた。保守的信仰が篤い人には難しいとは理解するが、正しいとはとても言えない。
矯正を騙った虐待であることは明らかなのだが、ではなぜそれを行うのか?というと、単に信仰や金銭的利益目的だけでなく「正しい事をしている実感」の為では…と思うのですよね。そうでないと、ああも熱心に運営管理しないのでは。守秘義務を持ち出すあたり自覚もあるのだろう。本当に人間は厄介だと思う。
虐待や理不尽をされるのが問題なのは大前提で、決断し抵抗し闘う勇気を出さねばならない時はあること、それでも味方がいなければ貫けないこと、を重く感じた。施設でのその後を伝えられた彼は、主人公の別の未来だったのだろう。危険な気配の中を主人公が決断できず進んでいく様がつらかった。ルーカス・ヘッジズ君は、繊細で不安定でも内省し闘う強さがある性格を演じるの上手くて、本当に良いよね。
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