『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生』読了
マーティン・スコセッシの映画公開の前に、めずらしく原作を読んでみようかと思い読んだ。
おそらく映画は本の内容の一部にフォーカスするのだろうと思う。公開前なので内容にはあまり触れないが、強烈な内容の事件だった。連続死のあらまし、捜査と司法の錯綜状態、著者の調査という三部構成。連続死は横溝正史の世界を荒涼とさせより深めた印象。あまりに難航する捜査と司法のスリリングさ。早いうちから、白人のネイティブ・アメリカンに対するレイシズム、「俺たちが手にするはずだったものをなんとしても手に入れよう」という意識が流れているのが分かるが、三部に至って当時の白人社会にいかに徹底的なレイシズムが蔓延していたかがわかる。おぞましい、虫唾が走るっていうのはこういう時に使う言葉だなと思う。人間はどこまでも卑しく残酷になれるんだなと。
ノンフィクションであるが、サスペンスとしても大変興味深く読めてページをめくる手が止まらないし、映画を観る前の当時の社会情勢・意識を知れて、読んで良かった。当時の写真が挿入されてるのが、また想像を掻き立てるんだよね…