『僕を育ててくれたテンダーバー』観た
こんな伯父さん欲しすぎる!ベンアフがいい感じに力の抜けた演技で魅せる大人の男のかっこよさ!父親の不在、素晴らしいとは言えない生活環境でも、伯父や周囲の大人のそれぞれの愛を背に受け大人へ踏み出した青年の自伝的成長譚。アメリカンなノスタルジーも漂い、とっても心地がよかった。とても好きだ。
伯父さんが本当に良い。良すぎ。父親にはならない、でも道を踏み外さないように目を離さずに男の、大人の生き方へ導いてくれる、ほどほどに甘やかしてもくれる。子供にとって最高の距離にいてくれる大人。こんな大人になりたすぎる。
大学には行けず、独身、実家住み、仕事はバー経営と一見うろんな気配があるが、読書家で知性的で真面目さと愛情と穏やかな根性があって、自分で語る男の生き方を実践し続けているようだ。で、見た目はベンアフ。良すぎ。
バーの常連の子供を見守る距離感も素敵だし、大学の友人もユーモアと真摯さがあって良いのだ。
それでも実の父親の不在は巨大だし、母親との関係はどうしても重たくなるのだな(それでも二銃士の話は素敵だ)
ひとつひとつが積み重なり、経験に変え、主人公が自分の決心で自立へ踏み出す納得感が清々しい。ラストのはなむけが最高にいかしてる。
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父親朝食会にビシッとおめかししてきてくれる祖父のクリストファー・ロイドとのエピソードも素敵だったなぁ。偏屈そうだけど、心の優しさと知性を見せてくれる祖父。本当に子供に接する距離感が素晴らしい大人ばかり出てくる。
唯一にして絶対の悪である実父も、作品のトーンが落ち着いているので、クズ描写が過激でないのが良い。その分、子供を縛り付け続けるたちの悪さが心に染み渡るのだが…
音楽もイケてるんだよね。本当にかっこいいな…