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『PIGGY ピギー』観た イケてない日常を過ごす私が事件に巻き込まれて…!勇気とロマンスの少女漫画、ただし血みどろハードボイルド。 

体形と酷いいじめと母親の抑圧によって内向的で自己肯定感がずたずたになったんだろうな…と手に取るようにわかるサラ。まず彼女はそれはもう大きな大きな不安と恐怖を抱えていて。それが大前提にある中で、事件をきっかけに罪悪感や復讐心、保身、友情、性欲、家族とのもやもや、が混ざり合って葛藤の嵐。誰でも持つ「いい感じの思春期を送りたい…」という欲望、それに伴う行動が正面から描かれていて良いなぁ。

行動をなじられて「間違えるかもしれないから…」と告白したサラに、これまでずっと自分の行動と本心の齟齬に後悔し続けていたんだな…と切なくなってしまった。その気持ちわかるよ。

殺人鬼がサラに都合がいい奴すぎて最初は驚いたが(家から連れ出してくれまでする!)、あれこそ少女漫画にあるような、乙女たちの夢。酷い現状から解放してくれる夢なんだよな。ちょっとわかる。ただし変質者(下着あさってた…おおう…)。

全てに対する怒りが唸り声となって、なけなしの良心を振り絞る。己との闘いだ。スリラーの顔をした少女の情念を解放する、思春期版正しくない女の映画でとても面白かった。

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