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『アメリカン・ギャングスタ―』観た

黒人マフィアと麻薬取締官との興亡と攻防の実話。情を抱いて離さない悪事の男と、情を振り捨てながら進む正義の男、対立する二者が憎んだ対象は同じ…と好対照な、違えど同じ男達の骨太サスペンスで面白い。列に並べ。俺を殺したい奴はいくらでもいる…台詞!格好いい!

こういう男達の対比構図が好きなのもり、面白かったな。脚色部分なのだろうけど、対比と話の進め方を丁寧にやってくれている感じだ。

両者とも、仕事に対する姿勢がストイックで好印象。フランクはマフィアだし麻薬密売ではあるが、仕事ぶりは実直なんだよね。恩人や家族も大事にするが、やることは犯罪。リッキーは汚職に屈しない正義漢だが、家族や友情は二の次。人の中にある矛盾が見えて好きだ。各々迷わないが苦悩もちらと見えるのも良い。

リッチーが夜学に通いながら昇進試験かな?を受けていた姿にとても感心した。それだけでも立派な警察官だよ…。そして汚職警官の酷さが際立つ。ジョシュ・ブローリン憎々しかったなぁ。

当時の社会の、あの地域の、マフィアとしての、黒人の立ち位置が前提知識として進むのが若干もの足りず。色々観てきて察することはできているけれど。フランクの心情理解がより深まったと思うので。

冒頭、トラックから人々に七面鳥を配る場面でひしひしと感じるマフィア映画の香り!街の人への施し!
これって、ゴッドファーザーだったかな?に同じような場面があったから、マフィアしぐさだと思うのだろうか。マフィア知識が増えていく…

フランクは本当に家族思いで情もある、実直であり胆力もある魅力的な人物に見えるんだけど、家族をまるごと商売に引き入れたのだけはどうしても引いて見てしまうね。いや、マフィアのファミリー="家族"なので当然かもしれないが。当時の黒人の家族観もあるのだろうかとも思うし。結局そこからぼろが出るのもまたなんとも虚しい…

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