節電、と自分が今居る部屋以外明かりをこまめに消しているのだけど、ふと他をつけたままにしてみた。

夫がいたころの家の空気が戻ってきた。

そうか、二人で暮らすってこういうことだったなと思い出す。向こうの部屋の明かりがともり、座って作業している背中が見える。

ひょいと立ち上がって「コーヒー淹れたら飲むか？」とにっこりしながら尋ねてくれる。

向こうで会ったら真っ先に、淹れてもらうよ。