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『n番部屋を燃やし尽くせ』読み終わったのでざっくり

1、トランス差別的な表現はゼロでした。よかった
2、被害の詳細がほぼ伏せられているため、フラッシュバック誘発の可能性は低そう

感想文です 

1章3章でn番部屋発見から追跡・告発・検挙・その後について扱い、2章が追跡団火花2人のエッセイになっている。

2章のエッセイが特に印象的で、韓国と日本の女性の生きづらさがここまで合致しているとは思っていなかったので本当に驚かされた。事件の被害詳細を描写する代わりに、普通の(今回の被害に遭っていない)女性が日々どれだけカジュアルな差別と性加害に晒されているか描くことで問題提起とする。賢明だし勇気ある判断だと感じた。

被害の悲惨な詳細をセンセーショナルに書かずとも性被害の報道は成り立つ、むしろ今まで蔑ろにされてきた側面こそ着目し追求すべきだという事を、追跡団火花の2人はこの本で示している。事件の告発自体も大変な仕事だけど、この本もただの記録ではなく性加害を減らすための具体的な提言となっている点が立派だと思う。

残念なことに、今「n番部屋」で検索すると検索エンジンの上位見出しにかなり強烈な被害例が出てくる(翻訳記事か日本のオリジナル記事かは未確認)。被害者にばかりフォーカスする報道姿勢について本の中で繰り返し批判されているのだけど、それが浸透していない未熟な社会を残念に思います。

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