エンパイアオブライトみた:
古びてるけど幻のように優美な映画館、で過ごす暗闇の日々、の中に見いだす光 それは人との出会いであったり、あるいは文字通り、映写機によって1/24秒映し出される光の連続だったりする 「映画の映画」ではあるけれど映画が中心ではなく、人の内面に光が呼応するのだと描くところがサムメンデスだな~と思った
精神疾患を抱えた人の苦しみに寄り添った描写になっていたのは誠実で良かったと思う(恥にまつわる会話とても丁寧で印象的だった)不況から"被害者意識"を抱えた白人男性がマイノリティに襲いかかるシーンも今どきな感じ ただ予想していた通りメイン2人の年の差はかなりノイズだった 合意のある関係として観るのがなかなか難しくて、ずっと居心地が悪かった
衣装も小物もセットもすごく繊細な仕事をしていて素晴らしかった 上げきらないドレスのファスナーから溢れ出る抑圧と諦めと憤りの日々 打ち捨てられたカフェスペースの明るくて柔らかな美しさ 今までも細部まで丁寧だなあと思う事が多かったけど、系統の違う繊細さを感じた
サムメンデス作品の中では描写が浅いし散らかってる方だと思う けどイギリスの大御所白人男性クリエイターが、今までと違う表現に挑戦しているように感じられてファンとしては嬉しかったな