https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/V3XV268JJV/
NHKスペシャル『死亡退院』
日本の医療制度では、精神病患者を社会から隔離することが基本方針になっている。精神科少ない医療者で多くの患者を長期入院させることが可能な制度設計になっていて、多くの精神科病院はそれに最適化された運営をしている。また一般の病院は精神病患者を受け入れる体制が無い場合が多い。だから、精神疾患と肉体疾患を合併した患者を受け入れることが出来る病院は、極端に数が少ない。
そのために人倫に悖る「医療行為」を平然と行っていることが明白であった滝山病院のような医療機関であっても、そのような患者を受け入れるというだけで存在価値を認められてきた。
当時の院長が、患者の死を早めることを知りつつ保険点数が高いだけの医療行為を指示し、へらへら笑いながらカルテにいい加減な死因を記す様子には、反吐が出るほどの嫌悪を覚える。しかし、問題の本質は、そういう人物に居場所を与えることが出来る(更に言えば、そういうゲスを必要とする)医療制度であり社会構造であり、「精神病なのだから社会から排除されても仕方が無い」とする我々の考えだろう。