キャビンで濃密な時間を過ごした日の深夜、ひろしがふと目を覚ますと隣で寝ていた筈のらはがいなくてトイレかと思いつつのっそりベッドから起き上がると閉めておいた筈の外幕(妄想の産物)が上がっていて半袖短パンの備え付けの部屋着を纏ったらはが海を眺めていて、月光がキラキラ反射して目が眩んだひろしの方にらはがゆっくり振り向いて、透き通った青い右腕と左頬に走る水晶、どこか達観したような微笑みを浮かべる口元と優しい紅い眼差しに一瞬息が止まって「どうしたんだ?」って穏やかな声に瞬きをするとそこに居たのは普段のらはみたいな夏の夜の一瞬の幻の話