さすがのハーバーマスも耄碌してしまったと考えざるを得ないが、知的衰えをこういう仕方で目の当たりにするのは正直つらいなあ。
アスリートが年齢とともに身体能力の衰えを見せるのは(ファンにとってはつらいことかもしれないけど)自然なことだし、それを受け入れられないということはないのよね。
もちろん、脳の機能の低下から思考力や判断力も年齢とともに衰えるのは自然なことだし、計算が遅くなるとかあれかこれかの判断に時間がかかるようになるとかいうことは受け入れられる。漢字や人の名前を忘れるとか、もっと積極的に認知症になるとかいうこともまた受け入れられるのだけど(晩年のロールズは認知症だったそうだ)、思想の内容として変質してしまうというのは、それが加齢に伴う知的衰えであるのだとしても、それまでの思想と整合性がとれなくなることもあり、かといって単純に「耄碌してるから」という仕方で片づけるわけにもいかず、つらいのよね。歴史的にはそういうのはたくさんあるし(カントもそう)、生きているあいだに観察するから特につらいと感じるだけなのかもしれないけど。
https://www.normativeorders.net/2023/grundsatze-der-solidaritat/
@minzimt 「脳の機能の低下」で何を指すかということと、思想的な変質が簡単に起こらないとして、ではどのようなことがあればどれぐらいの頻度で起こるのかという程度の問題だと思います。
ハーバーマスが元からこういう思想の持ち主であったかどうかはわかりませんが、少なくともイスラエルとパレスチナのあいだで起こっていることについて現状を正しく理解しているようには到底思えないので、少なくとも知的にかなり衰えていることは間違いないと理解しています。現在のハーバマスは、イスラエルがガザ地区で行なっていることについて十分な情報を得ることができていないと思われ、そのため情報を精査することも、取捨選択することも、その上で精緻な分析をすることもできていないと思います。