はてブで見たとあるブコメに「メイドインアビスの画期的な所は
「科学者や冒険者の本質的な非人道性を隠さずに表現しちゃった所」
ってのがあって、たしかにそう云うところはあるよなと思ったんだけど、たぶんその非人道性を不可避に持つものって自然科学や医学だけじゃなくて、素朴な探究心や知的好奇心自体何だろうなと思う。
リコが「ボンドルド卿寄り」なのは、金銭や名誉に欲望を大して持たない所よりは、知的好奇心や探究心に忠実な所であろうし、二者の違いは知的好奇心へのブレーキである「情」があるかないかだけなんだろう。
「良きもの」として扱われがちな知的好奇心や探究心だけれども、それも欲望の一つであり、それに関して度外れて強欲であり、ブレーキを持たない(失った)のが黎明卿で、諸星大二郎が「孔子暗黒伝」で孔子を「知の饕餮」と呼んだのと同じ事がメイドインアビスでも描かれたんじゃないななとか思うのである。
知的探究心を単純に「良きもの」として描かない、って云うのは「非人道性を隠さず描いた」とはすっかり一致すると言う訳ではないけれども、雰囲気は近いよなと。