疑いと証明によって、知覚範囲の境界と限界が定義される。
観測しないという選択。

気づくか気づかないか位の羽音の気配がして振り向くと、ふわりと浮かんだドーナツ状のドローンが、ゆっくりと近づいて来た。

内円部から中心に向かって、透明な羽根が並んで生えている。
何も無い中心部と区別がつかないくらい、透明な羽根だった。

蝉の遺伝子を使っているのかも知れない。
筐体は軽いのだろう。回転速度は速くない。

手に取ると、羽根の回転速度が徐々に落ちていった。すると、二重ローターの逆方向に回転する下部の羽根が見えてきた。

引き寄せた時、ジャイロ制御のせいで少し抵抗を感じた。

シャチコヴァリアント
変異体が様式化して定着したもの

Fedibird

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