走りに行くー
ラクガキ 現実滅ぼし屋「込み」
「微笑みを? その人が微笑んだ現実を消すんですか?」
猫はきょとんとした。
「今回のご利用は、ちょとふわっとしてません?」
「できないの?」
「できますけど」
「じゃあやってよ」
〈滅ぼし屋〉の利用は何度かやってるけど、確かに今回は曖昧かもしれない。
でもいつもいい感じに望みを叶えてくれるんだから、今回もやってもらえるはずだ。
「いいんですか?」
「何が」
「『その人という現実』を消さなくても?」
「それは」
返答に詰まった。
でも、さすがにそういうのは、ちょっと。
「ああ、いや、いいんです。お望みでないなら」
猫は後ろ脚で首のところを掻きながら言った。
「でも、込みでもいいんですよ、いつもみたいに」
「込み?」
「ええ。あなたがそれを消した、という現実も一緒に、また滅ぼしておきますか?」
inspired by https://mastodon-japan.net/@suikunn/111491815805177326 [参照]
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