熱を帯びた身体、夢を帯びた心。秋の夜の冷たさがそんな私を翻弄する。形のない身体、色のない心。秋の夜の静けさがそんな私を蹂躙する。透明な寂寥が部屋を埋め尽くし、秋色の切なさが空から零れ落ちる。優雅な悲しみが夜を埋め尽くし、繊細な痛みが空から零れ落ちる。夜は猛々しさと清々しさをまき散らすけれども、私の心はなびかない。秋は艶めかしさと神々しさをまき散らすけれども、私の心はさらわれない。夜のかけらはちぎれるような痛み。星のかけらはもがれるような孤独。秋が私の身体をそっと抱きしめる。夜が私の心をそっと抱きしめる。