青い鳥のほうで香港のホテル業界がこの3年近く内向き(隔離ホテルとローカル向けだけだったから)でサービスの質が低下した、という話を見かけたのだが、わたしは逆に、ホテルに限らずサービス業全体的に従来皆hostileだったのが、経営危機、もっと言うと業界全体が危機を迎えた+ストレスをもたらす大量の大陸客が消えて総じてniceになったと感じている。スタッフの英語力が低下したとは感じるけどね。
そして、ホテルサービスの質が落ち、通常運転に戻っても"香港のことだから"きっと戻らないだろう、ということだが、一定レベル以上のホテルサービスはプロの仕事なので報酬が伴わないとちゃんとやらないに決まっている。逆に言えば対価に見合う報酬が出れば質は自ずとついてくる。
再びhostileに返ることがあるとすれば、正直な話質の悪い層の大陸客を相手にする日々が戻ってきたら、じゃないかな(大陸客全員を蔑視している訳ではありません
香港のホテルサービスの質が低下した、香港の観光業界は終わりだ、という声も聞く。確かに自分で自分の観光資源を食い殺している(ネオンサインなんかがそうだ)し、大手老舗旅行代理店も一社倒産したり、不況が続いている。でも今までの香港ならそこで結構なトランスフォーメーションを乗り越えてきたのだけれど。お上が少しずつ自由を奪い紅いものを強要しつつあり、社会を回してきた自由なコア層が移民してしまった今後どうなるだろうか、とは思っているがサービスの質の面で言うと「終わった」とは思わないかな。今まで数を捌くのに必死で真の意味でのホスピタリティを顧みる余裕もなかった人たちだが、スマートな集団でもあるので漸くそこに目を向け始めた、と考えてもいいのではないかな。
だって隔離ホテル運営は、COVID-19鎖国で観光業全体が完全に急降下どころか墜落寸前のところで生き永らえていたホテルがリストラし倒して少ないヘッドカウントで必死に回していたのだから、質もくそもない。隔離ホテル部分を観光パートとして話するのはちょっと違うだろう。あれは非常事態だし。現にホテルのF&Bはむしろ普段よりずっとサービスの質が向上していて喜ばしい限りだったよ。