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上杉茂憲(もちのり)は、明治時代の沖縄を治めた県令(知事)。
元は上杉謙信の流れを汲む米沢藩(山形県)の藩主でしたが、明治14年、琉球処分から間もない沖縄に県令として赴任、数々の改革を行いました。
こちら『沖縄の殿様』(2015刊)は、そんな茂憲の”県令奮闘記”です。
(続く)→

(続き)→ 着任した茂憲は自ら宮古・八重山まで巡回、農民の窮状を視察して、土地や税の制度改革に着手。
教育を重視し各地に学校を設立、また東京へ県費留学生も派遣。
旧士族の優遇に異を唱え、上京して意見書を提出するも、明治政府と対立が深まり、結局2年で茂憲は任を解かれます。
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著者も書くように、いくら茂憲の治世が善政であっても、それは日本による支配であり同化教育の一端であった事は否めません。
しかし苦しむ農民の救済に奔走し、謝花昇や太田朝敷ら後に沖縄に貢献する人材に勉学の道を開くなど、本書で辿る足跡を見れば、やはり大きな功績を残したと言えるでしょう。

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