沖縄の漫画家・比嘉慂(ひが すすむ)氏といえば、少女の目を通し戦前の沖縄を描いた「美童物語」や、沖縄戦を描いた「砂の剣」「カジムヌガタイ」などの素晴らしい作品で知られます。
そんな氏の最新刊『風土の家』(2024年3月刊)は、なんと漫画ではなく、氏の手になる初の写真集。
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(続き)→ 副題に『那覇の街角』とある通り、被写体は那覇の街並み。
花ブロックで飾られたアパートや、板張りの外壁に赤瓦屋根を戴く民家。
黒ずんだコンクリート塀やパステルカラーのアパート。
それらの隙間から忽然と現れる古井戸や拝所。
那覇周辺を歩いて出会う、古びた建物や路地が写されています。
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「年月を重ねた家の醸し出す風情は、真っ当に暮らしたいと願う人々の誠実な温もりが感じられ、この不条理な沖縄にあっても芯はぶれない、変わらない、まさに風土の心を私は見ているのだ(後書きより)」
比嘉氏の漫画にも通じるその感性こそが、この何気ない写真に大きく心揺さぶられる所以でしょう。

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