フォロー

こちら「おいで!マヤーグワーよ」(1995刊)は、小学校低学年以上を対象とした児童文学。
その特徴は、物語の舞台が、戦後のまだ米軍統治下にある沖縄であるという事。
主人公は小学2年生の健児と、同い年でアメリカ人の父と日本人の母を持つミノルです。
*
二人の少年と、彼らが助けた一匹のマヤーグヮー(子猫)を巡るストーリーは、幼い読者にも感情移入しやすいでしょう。
しかしそこには、アメラジアンへの差別・住宅地に隣接する米軍基地の危険性・激化するベトナム戦争の影…など、当時の(また現在も変わらない)社会問題が織り込まれているのです。
*
戦中・戦後と、日本社会が切り捨て犠牲にしてきた沖縄。
その中で、さらに弱い子どもやマイノリティが傷つけられてきた…大人が目を逸らしてはならない現実が、この物語の骨格を成しています。
ささやかな希望を感じるエンディング、そこに込められた作者の願いを、私達は心に留めるべきでしょう。
*

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。