年末年始の休みに読んだ、「新聞記者 疋田桂一郎とその仕事」。
朝日新聞のトップ記者として1950〜80年代まで活躍した疋田桂一郎氏が残した、記事や評論などを集めた一冊です。
特に興味深かったのは、氏が社内報や研修で自社の記者達に向けて書いた資料。
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そこには取材や執筆のノウハウが詳細に記され、氏の責任感や矜持が感じられます。
まだネットが無くTVも新参者、新聞こそが報道の主役だった頃。
しかし氏はその筆が一つ間違えば社会に悪影響を及ぼし、個人を傷つけ自死にさえ追いやり、新聞への信頼が失われる事を強く危惧していました。
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SNSで誰もが簡単に発信者となり、デマや短慮な発言が拡散される今、氏の忠告に耳を傾ける意義は大きいでしょう。
なお本書には、氏が担当した”天声人語”から、1970年のコザ暴動と、1972年の沖縄返還にまつわる日米密約を取り上げた回も収録。
意外な所で沖縄に関する貴重な一文に出会えました。
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