灰谷健次郎氏の手になる児童文学の傑作「太陽の子」。
舞台は1970年代の神戸、主人公は小学6年生の明るく元気な少女・ふうちゃん。
沖縄生まれの両親が営む沖縄料理店「でだのふあ」では、神戸で働く沖縄出身者が夜毎集まり、ふうちゃんとの関西弁による楽しい語らいが続きます。
しかし…。
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やがて見えてくるのは、優しいお父さんらが沖縄戦で受けた、深い心の傷と終わらない悲しみ。
そして沖縄への差別が残る社会。
それらと向き合い、沖縄を知ろうとするふうちゃんの真っ直ぐな心と、傷を抱えながらも彼女を守り、また彼女に勇気づけられてゆく仲間達の姿に、心が揺さぶられます。
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“知らなくてはならない事を、知らないで過ごすような勇気のない人間、卑怯な人間にはなりたくない”
作中でのふうちゃんの決意に、私達はいつまで耳を塞ぐのでしょうか。
本当に沖縄の事を知るべきは、戦中・戦後と沖縄を犠牲にし、ふうちゃん達を傷つけてきた私達のはずです。
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