『ぼくは6歳、紅茶プランテーションで生まれて。:スリランカ・農園労働者の現実から見えてくる不平等』
著/栗原俊輔
#読書 #感想
スリランカの紅茶プランテーション農場の歴史は、19世紀、イギリスの植民地にされたことから始まった。独立と内戦を経てもなお150年前から続く過酷な労働現場と構造的不平等、そんななかで世界は何ができるのか。
この前読んだ『マーリ・アルメイダの七つの月』のあとがきで紹介されていた本のうちの一冊。今もう一度『マーリ・アルメイダ~』を読み返したら印象が変わりそう。タイトルに「僕は6歳」とあるので、農園で暮らす6歳の男の子のルポなのかと思いきや、そうでもなく、スリランカ全土のプランテーションの状況について説明がされていた。
平易な言葉遣いで内容も分かりやすく、中学生位なら余裕で読めそうな内容になっており、字も大きくてすぐに読み切れる本。スリランカを知るための最初の一冊にはちょうどよかった。
続)
『ぼくは6歳、紅茶プランテーションで生まれて。』感想続きの2
ところで私はルピシアの紅茶が好きで、贈り物に買ったり、クリスマス時期にブックオブティーを買ったりしている。運よくポイントが溜まると、ティーバッグ2つと会報誌が毎月届けられる。今月の特集は『セイロンの名を継ぐ紅茶』で、「伝統的な方法で栽培されて手摘みされる上質な紅茶」「歴史を感じる街並みが残されている」というキラキラな記載に渋い顔になった。それに「セイロン」はイギリスの植民地だった影響でつけられた国名だそうなので、歴史の重みを感じるためにエモく使っていい名前ではないのでは……とモヤモヤしながら紅茶をすすった。