『ヘアスプレー』(2007)
監督/アダム・シャンクマン

1960年代、人種差別が続くアメリカを舞台にしたミュージカル映画。ずっと見たいと思っていたので見られてよかった。リメイク作品だったの知らなかった。

オープニングの歌が始まった時から「あ、これはええ作品やわ」とおもっていたけど最後までずっとハッピーなお話で、歌とダンスも最高で、観ていてすごく元気がでた。いまの自分自身がどんな姿でも、その背中をバシーンと叩いて肯定してくれるような力強さがあった。

改めて、この映画が2007年の映画ということを考えると、15年経っても世界はまだこんな調子なのかと思う。なにもかも、おとぎ話のように簡単に変わらない。それでもその年の分だけ私達は年老いて、多少は利口にもなって、間違いなく未来を作りながら歩いている。いまいるここは、もうこの世にはおらず、共に歩けなくなった人たちと共に作ってきた未来の世界。私達は歩き続ける。

この物語はおとぎ話だけど、今も昔も、闇の時代を生きる人の心にちいさな光を灯してくれると思う。展開がご都合主義すぎひん?とか主人公がエエ子ちゃんすぎちゃう?とかイチャモンはいくらでもつけられるけれど、それ以上に大事なものが詰まっている。これは高校生の夏休み必修映画にしたほうがいい。

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ひとつだけ、「女の敵は女」の構図だったのが残念だったな…とはおもった。テレビ局長が色仕掛けで出世したのは男社会でのし上がるために必要だったからだろうし…。作中の男性陣が軒並み男性性を剥奪されてるかんじがしたのと、お話の都合的にもワザとだとはおもうし、そんなんどうでもよくなる位ハッピーな映画なのだけど、ちょっとだけ気になったのでメモしておく。

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