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『ヴィネガー・ガール』
著/アン・タイラー
訳/鈴木潤

シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』翻案。面白くて一気読みしてしまった。登場人物たちの心情や行動がとても細やかで、ああいるよねこういう人、と思えて楽しかった。特に29歳の主人公には(当たり前だけど)一番共感した。私も酸っぱい系の《娘》だったので。

永住権獲得が目的の偽装結婚が、やがて相手と自分を少しだけ開放するための手段になって、本当の意味で愛しあうふたりになっていく過程がとてもよかった。本当に小さなことで揺れ動く心の描写は読んでいてキュンキュンした。いいラブコメだった。

個人的には妹ちゃんの最後の台詞もよかったな。あれはあれで正しいとおもう。登場人物たちが全員どこか滑稽で愛しくなった。あと台詞回しや仕草が映画のようで面白かったし役者が演じると映えるとおもうのでぜひ映画化してほしい。

原作の『じゃじゃ馬ならし』のあらすじにざっと目を通したら、DV男が妻を暴力で従順にさせる話だったのでウゲ…となった。原作は読まなくてもいいかな…。

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