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『生きのびるために』(2017)
監督/ノラ・トゥーミー

いつかは観なくてはならないと思っていた映画。もうすぐネトフリ公開終了なので急いで観た。以前読んだ『私のペンは鳥の翼』は、本を開けば女が逮捕される環境で文字通り命をかけで執筆されたのだなと思いながら観た。辛かった。

女であるというだけで外を自由に歩けず、買い物もできず、家長がいなくなれば飢えるしかない生活って、理不尽すぎてすごいな?なんでこんなものが現代で許されてるんだ?なんで???でも私はこの環境に、女が男にしいたげられ、こどもはおとなにこき使われ、戦闘機が頭上を飛び交い、明日戦争が始まる状況に、無知と無関心によって加担している側でもある。しんどかった。

序盤で「お話は役に立たない」と吐き捨てた主人公が、終盤でおはなしの力により道を開く展開が泣けた。おはなしは、アニメには、道を開く力がある。そう信じて作られた作品だなと思った。死んだ兄、死んだ妻、語られることのない大勢の喪われた人たちが見守るような青い月夜のラストが、悲しくて優しかった。

いつかお金を溜めて海に行くのだ、と夢を語る子供たち。戦闘機の下で交わされた「またね」の別れの挨拶が、どうか、必ず叶いますように。

「おはなし」の力を信じて自分で自分の物語を語ることで生きる力を得る、という展開は『リトルプリンス 星の王子様と私』や『アリーテ姫』と同じで、どれも大好きです。そして優れたおはなしは時間も距離も超えて遠くまで届く。

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