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『本屋さんのダイアナ』
著/柚木麻子

ぱさぱさの金髪・母子家庭・若すぎる母・父親不明の女の子ダイアナと、ダイアナの友達の彩子、ふたりの女の子が自分の呪いを自分で解くまでの話。

ダイアナとティアラ(ダイアナの母の源氏名)の関係が最高で最高だった。マジカルグランマもそうだったけど、登場人物全員への視線が優しくてとてもまろやかな読み心地がする。もっと作中の世界に浸っていたいのにまた一日で読み終えてしまった…。くやしい…(?)

少女からだいぶ歳を食った私は、彼女らのように運命を切り開くことがどれほど難しいか知っている。知ってしまった。誰かのせいにしながら、自分の不甲斐なさに見て見ぬふりして、でもどこかで可能性を捨てきれず、みっともなくジタバタし続ける。登場人物たちのように屹然と顔を上げて生きていくのはどれほど困難なことか。

それでも、自分の人生の主人公は自分でしかない。アンの友達のダイアナ、この世のすべての決して何者にもなれない者たちに、あなたにもちゃんと力はあると小さな新しい地図を広げてくれる、そんな話だった。

中学生頃に読んでたら一生の宝物にしてたとおもう。私にとってその座は別の本にあるのだけど、この物語は娘氏にも読んでもらえるように本棚に置いておきたいな。

単行本の表紙をよくみたら、絵の一部がきらきらしている。これはティアラさんのデコか。好き。

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