『BLUE GIANT』(2023)監督/立川譲
脳みそから感想が消し飛ぶ最高のライブ体感映画だった。もう今年の日本アカデミー賞これやろ。すごかった。
上原ひろみが音楽やると聞いて、視聴の際はできるだけ両音質の映画館にいかねばならないと思い、立川シネマシティの極上音響上映で観た。ありがとうシネマシティ。最高。
だいたい予想通りのことが起こるべくして起こる筋立てではあるんだけど、それが面白さを損なわない。音楽を音だけではなく絵でも表現する「光」の演出がとてもよかった。
漫画原作のジャズ作品が、本来静止した絵を動かして命(アニマ)を吹き込むアニメーションによって、魂はそのままに100分間の生を授かったみたいな映画だった。原作読んでないけど多分原作の熱量も相当なものだと思う。
作中繰り返される「ジャズやるべ」は「生きようぜ」ってことだ。一回きりの命を青白くなるまで燃やしつくそうぜ。パートナーを変えながら、手を離したら二度と会えないかもしれない今この瞬間を、何度も何度も生きて死ぬ。今の時代には冷笑されそうな単純なメッセージが、全身全霊の演奏でスクリーンの向こう側から飛んでくる。
応援上映で手拍子したい。なんならペンラも振りたい。頼む…。