📙「三宝太監西洋記」読書メモ:
女人国の監獄に捕らえられていた鄭和の部下三人は鄭和の行方について話し合うが、黄鳳仙が来たので口をつぐむ。しかし黄鳳仙が彼らに茶を捧げるので唐状元が驚いて「王蓮英のところから助けてくれた上にお茶まで」と言うと、黄鳳仙は「彼女は最初あなたを好いていたが話し合いがうまくいかなかったので怒ったのだ。男は妻が欲しいし、女は夫が欲しいから」と解き明かす。ひとりが「あんたも夫が欲しいのか」と尋ねると黄鳳仙は「仲人もいないのに結婚なんて」と言うが、相手が「自分が仲人になると言ったら?」と重ねると「釣り合いが取れた相手なら」。そこで相手が「唐状元ならあんたにお似合いだろう」と水を向けたところ、黄鳳仙は「唐状元が私を夷狄の女と蔑むのでは」と返す。実は文武両道で智略に優れた黄鳳仙も密かに唐状元の風采に惚れて、彼と結婚するべく一計を講じたのでした――と言うことで、下を向いて無言の唐状元に「私と結婚するなら王蓮英の術法を破ってやる」と言うので、唐状元は「言いなりになって夷狄の女と私通する罪か、どうしたものか」と悩んだ挙句、「鄭元帥をここにお連れしてくれれば言う通りにする」と答えましたとさ。(続く)
(続き)
と言うことで、黄鳳仙は鄭和を南監から解放し、三人のところへ連れて来る。「お前たち三人揃ってどうして捕まったのだ」と尋ねる鄭和に一人(仲人になると言った人。張狼牙と言う厨二っぽい名前)が、王蓮英の術に敗れたこと、唐状元と結婚できるなら黄鳳仙が術を破ると言っていることなどを説明する。すると鄭和はあっさり「何のデメリットもないのだから結婚しなさい。私が式を取り仕切ろう」と言うので、二人は結納を交わし、密かに黄鳳仙の私邸に赴いて一夜を過ごす。翌日、唐状元が監獄に戻ると、王蓮英が鄭和と三武将を共々火炙りにすると命じた話が伝わって一同詰みかけるが、唐状元が策を講じて、王蓮英に「明人は死を恐れないが、馬や武具をともに焼かないと祟って出るらしい」と伝えるよう黄鳳仙に頼む。と言うところで第47回終わり。
最初読んだ時はあんまり意味が取れなかったけど、もう一度読み返したらわかって来たので、あまり省略なく意訳してみた。唐状元が悩む件、「楊家将演義」の宗保さんエピ踏まえてそう(というかパクってそう)だが、こうして見るとキャラも展開もそれなりにアレンジが効いていて、当初の印象ほど丸パクリではなかった。あと女性陣のアタック戦略と男性陣の反応もそれぞれ書き分けられていて、この辺は、まあそこそこ面白いのでは?(今回は以上)