ルパン、昨今多かった、いたいけな少女(女性)を救うカリ城ではなく、マモー系の脚本だったのがよかった。卑弥呼の金印を元にした、少なくとも昔のルパンにはちょくちょくあったようなファンタジー要素を本軸にしてて、歌舞伎的なトンチキに巧くはめ込んだ感じ。
ルパンよりも五右衛門の方が既に名を馳せている久吉(秀吉)の時代設定にしてるのも、なまじ五右衛門は芝居にもさんざん描かれた御存知キャラなので、あくまで歌舞伎に持ってくなら軽く扱えないわけだから、役の格付けとして巧いなと。というか、石川五右衛門をキャラとして大きくしたのはこっちが先だというアピールもできてよい。
ストーリーは、ルパン&次元が五右衛門と目当ての刀をめぐって関わり合い仲間に引き入れるまで、て感じなので、五右衛門が物語の中心。オリジナルでロマンスを持ってきたのは、原作五右衛門はなにせ初登場で「がーるふれんどの不二子ちゃん」に騙されてた青年なので、そこ踏まえてると特に違和感なかった。悲恋の部分よかたし。
朝鮮出兵に軍事力をあげるべくキャッキャしている久吉に、現代の我々の状況を巧く重ねてたのもよし
衣装は、ルパンの衣装は洋装を取り入れだした傾奇者的な拵えでかっこよくてよかった。
五右衛門のアレンジも成功。お耽美に振り切って正解
筋書きに大詰めの勢揃いでの衣装の図案が載ってたのは嬉しい
愛ちゃんが、山田康雄のセリフ回しをうまーく芝居の台詞に取り込んで、歌舞伎の台詞に成立させてる。巧い。愛ちゃんはなんだかんだいって巧い
まちゅやは、あの五右衛門の拵えに成ってからはそうでもないけど、最初の楼門では、思いの外大きさがない。主役じゃないから抑え気味にする方針…?でもあそこまで私らの知ってる楼門大道具で持ってこられたら、三角形の絵面の頂点にいる五右衛門は大きくないと締まらないので、そこは微妙だった。
でもぶっかえって、あの長髪五右衛門の姿に成った途端客席から「ひゅう~~~」て反応があったのでハッピーエンド
耽美押しの拵え、よかったです
笑サブは悪くはない。ただ、なぜあなたが…という気持ちも消えない
かっこよかったとは思うけど
エミヤが意外と…私は微妙~~~~だった
もっと引き出しがあるはずでは?と思ってしまった
化粧もリアルよりにしました、てのは別にありだと思うけど、芝居まで一人で新派風にしてたのは違うだろと思うし、じゃらじゃらするところでも、これではおきゃんな幼馴染キャラでは?になってて、あの、可愛さと計算高いクレバーさを兼ね備えて、その両方で男をリアルで手玉に取ってきた大人の女の色気というには、別物になってる
少なくとも私の想定してた役作りとは違ってたので、これがいわゆる解釈違い…?
今回はロマンスは五右衛門にあり、そういう意味ではヒロインではないかもしれないけど…