「人に迷惑をかけてはいけない」の意味するところを考えている。
高校生たちと話していると「病気になって人に迷惑をかけてはいけない」と真顔で言われて「それは仕方ないことだよ」と諭すことになることがある。
曰く「親に病院に連れて行ってもらったり費用がかかったり、授業や部活を休むと遅れてしまうから」という理屈のようだ。
子どもに「病気になるのは迷惑なことだ」と思わせてしまう社会は息苦しいを通り越して恐ろしい。
かく言う自分も「迷惑だよねー」と聞こえると反射的にヒヤリとしてしまう。
「デモは迷惑」「ストライキは迷惑」「街頭活動は迷惑」「同人ルールを守らないのは迷惑」「急に休まれるのは迷惑」「仕事ができない人は迷惑」「察しが悪いのは迷惑」……「誰がどんな点でどれほどの損をしましたかね?」「それは責任が発生するのですかね?」という最も大切なことは語られないまま「だからやめろ」だけはドスンと突き刺さる、最も凶悪な言葉が「迷惑」だ。
「人」って誰だろう?
「迷惑」ってどんな状態?
多分、言っている人もよく分かってないのでは?
それでも今日も「迷惑」の前に引き下がることを要求されている人がいる。

もうこんな世の中なら、病気になったら「仕方ないわ」とさっさか休んで、権利もガンガン行使して、根拠不明で不合理なローカルルールには異議申し立てて、仕事できなかろうが察しが悪かろうが、「迷惑」かけまくって臆面も無く厚顔無恥に生きる姿を若者に見せるのも教育の一環かな、と思ったり。
高島鈴『布団の中から蜂起せよ』にもある「生存とは抵抗」に倣って言うなら「迷惑とは抵抗」なのではないかな。

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日本から出て長いですが、日本以外で暮らした国々では、どこも割とそれに近い暮らしをしています
私も日本を出てからは、ずっとそんな感じかも…

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