"スピードが要求される加速社会を生きる私たちは、日々、即断即決をよしとする世界に暮らしている。物事を性急に理解し、早々に結論を出し、なんでも迅速に解決しようとする。しかし、それだけでいいのだろうか。
「ネガティヴ・ケイパビリティ」とは謎や不可解な物事、問題に直面したときに、簡単に解決したり安易に納得したりしない能力のこと。即断せずわからないままに留めながら、揺れながら考え続ける力とも言える。先行き不透明で変化に満ちたこの世界を生きるためには、「これで大丈夫なのだろうか」と自分を疑い、不確実性や謎にまみれつつ、より深く本質に迫ろうとする姿勢が必要だ。"