空の民と海の民な67妄想冒頭だけ。
緑溢れる大地が消失したこの世界には、二つの民が国を築いて暮らしていた。
天に浮かぶ島々に住まう、空の民。
青く続く大海原に住まう、海の民。
空の民には自由に羽ばたく為の翼があり、海の民には自在に泳ぐ為の尾鰭がある。
空と海が交わる事はなく、それはそれぞれの世界に住む民にとっても同じ事だった。
その日、ナナリーはいつものように大海原を泳いでいた。
自慢の尾鰭を靡かせて、太陽の光が射し込む明るい海の中を散策する。
遠くには色鮮やかな魚の群れが、踊るようにして泳いでいた。
近くにはイルカも居るし、彼らと一緒に追いかけっ子でもして遊ぼうと、水をかく尾に力を籠めた時だった。
――ザブン、と。
何かが勢い良く、落ちてきたのだ。
「おひさま……?」
空に輝く太陽が、うっかり海に落ちてきたのだと思った。
光を反射してきらきら輝く金色の髪と同じ色の翼は、ナナリーが焦がれてやまない空に浮かぶ、お日様と同じ色をしていたのだから。
みたいな感じで始まる空の民6と海の民7ちゃんのお話。