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『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』読了。
明治以降、文学史で習う作品群の傍にひっそりと咲いていた娯楽小説群にスポットを当てた高濃度のガイドブック。著者の慣れたガイドテクニックで江戸期から昭和へ「楽しさ」を語り継いできた、余りにも無名な作者と作品たちが紹介され、それらは明治の世相と人々の興味の移ろいに寄り添いながら進化していく。
我々が習わず、知らされなかった明治の姿。そもそも「講談速記」なんて方法で世に出された物語群があるなんて想像もしなかった。自分は学校のテキストとして『舞姫』を読まなかったクチだがあらすじだけでも十分に青筋を立てていたので、タイトルにある作品の結末には喝采を送った。

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