最初に読んだ時は美大に侵入した犯人が複数人を殺傷した事件の事をわざわざ”通り魔”と表現している事に、母校で過去に起きた学生が被害者の通り魔殺人事件(未解決)を連想してしまい物凄く不快に感じた。
私は被害学生の後輩に当たる(私が入学した時が丁度被害者の学部卒業年だった)のだが、その時でも犯人捜査の協力が仰がれていたり折に触れて言及があったりと学内で皆が忘れないよう意識していた事件だったし、未だに解決していない事なのに(真意は分からないが)それをエモいネタとして消費されている感じがしてとても気分が悪かった。
京アニ事件への追悼というのはその後になって気付いた事だけども、フィクション化しているとはいえまだ裁判係争中の事件を下地に漫画を発表するのは早すぎる時期だと思うし、修正前の犯人が精神異常者のように描かれていたのは偏見を助長させるだけだからそのようなキャラ立てはするべきではなかったし、やはり「人が死ぬ事によるエモいストーリー」に回収されていくのはどうしても不快だった(爆発的に流行った考察もそういう内容だったり細かく散りばめたサブカル要素の読み解きというような内容ばかりで、死者が出ている事件が元なのにそれを慮る気配がなくて余計にそう感じられた)