『宝石の国』久しぶりに読んだらところどころ印象変わった(単行本ネタバレ感想)
相変わらずおもしろくて夜中まで読んでしまった。寝不足。
王ににんげんの話をきいたフォスの「じゃあ僕たちはずいぶんいいふうに変わったんだ」という言葉、聞いた時はそうだねえ…と染み入る気持ちだったけど、フォスがラピスの影響で賢くなってから世界の構造や周りの宝石たちの見え方が徐々に変わり、当時のフォスがお花畑なだけだったのだと突きつけられる。「ほどよい賢さは猛毒だ。」ほんとにそう。
彼らには複雑な感情があり、決して純真なわけではないのだと一度感じてしまったら、地上に残り対話を重んじるユークレースにさえ欲や狡さを見出そうとしてしまう。こうなってくるともう、最初からずっと自身の醜い感情を自覚しその気持ちに正直で露悪的なダイヤモンドが、安心感のある存在になってくる。
最初はみんな宝石だったのに、最後には月に行かなかった者たちもみんな人間に「見えてしまう」の、すごいなあ…と改めて思った。変わった(改造といってもいい)のは漫画の主観を担うフォスだけで、他はみんな変わらないのにな……。