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あと虫喰いに遭った仏像の絵が2枚展示されていて、学生時代に資料館で解説のアルバイトをしていた時のことを思い出しました。以下、思い出話。(長いので畳みます) 

「古本を食べる虫、日本では、紙魚(シミ)と死番虫(シバンムシ)が有名です。紙魚が一枚の紙を横になぞって食べていくのに対し、死番虫は紙を縦に貫通して食べていきます。そのため、死番虫が食べた本は、穴の空いた箇所が重なります……こんな感じで。」
そうして古本のページを重ねて見せた時の反応が、大抵一番いいのであった。学生アルバイトに解説をさせているくらいだから、客層もそんな感じだったのだ。

「紙魚の場合、一枚が大きな被害を受けますが、他のページは無事。死番虫の場合、一枚あたりの被害は小さく済みますが、全てのページが《虫喰いあり》になります。どっちがマシか……」
食いつきがよければ「文書か画集かでも違ってくる気がしますよね」などと続けていき、博物館学の保存について話したりしていた。

博物館は、来館者の方にとっては展示品を楽しんだり学んだりする場であることが多いけれど、市民の方に資料の収集や保管など博物館自体の仕事のことを知ってもらうことも大事なので、展示品を通してそういう話もできたらいいよね、と思ってやっていた。もう10年近く前。

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