【藤子・F・不二雄SF短編集】ミノタウロスの皿 

有名なのであらすじ簡単に。
宇宙飛行士の主人公、宇宙で事故り、助かったらステーキ食ってやると
自分を励ましつつ不時着……した星は、牛と人類を逆にした星だった。
かわいい人間女子に見えるミノアが今年一番の肉牛だと。
主人公はミノアたち種族を食べることの残酷さを訴えるが
ミノア自身も美味しく食べられて生を終えることに誇りすら持っており
主人公はミノアたちを食肉の運命から逃がせずに救難ロケットで帰路へ、
「ステーキを頬張りながら泣」くシーンで終幕。

最後のシーンが当然評価されるわけですが
たまに2重構造と言ってる人がいて
なんのなんの、これは3重構造なんですよね。
 A:ミノアとミノア達を捕食する側
 B:牛と主人公
 C:現実の食べ物と読者

Aをみて刺さった主人公も、Aを思い返しながら
つまり気持ちもそぞろに何も考えずB、ステーキは食うわけ。
読者はそれを見て刺さるわけだけども、たぶん一時的に
考えさせられるなあ、と言いながら、なんならミノタウロス思い返しながら
夕食のハンバーグは美味しく食べたでしょ。っていうね。

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