面白かった!
知覚を使って心像を頭の中で再現し、それを通して経験を重ね、それを区別することで認識する=わかる。
知覚の種類と各種機能、心像の階層など、全部覚え切れはしないんだけど、わかる、という行為がどんなプロセスを経てるのか、かなり丁寧に説明されてた。
概念が存在するからそれを表す言葉がある、という共通のわかる、を生み出すためのツールとしての言語(言葉)、の章も大変興味深い。
言語学的にはお馴染みかもだけど、明治時代、日本には[権利]という概念がなく、福沢諭吉が翻訳に苦労した話とか、脳の機能との結びつきの視点から紐解かれてる。
人間の脳と心の機能の緻密さと複雑さには、ほんといつも驚かされるー。
すごいよねーまだまだ人体について解明されないことが多いのもわかる。
現在の社会システムで、女性は個人の能力を発揮しにくく、抑圧的な環境に置かれがち、更にケア要員として家族を優先することを求められ、というのは多くの女性が共感できると思う。
儒教の影響が強い国で特に。
それが描かれてたのは良かったけど。
うーん
でも結局は家族第一!!みたいな・・
いや、それが悪いわけじゃないけど、彼女も父親に引き留めて貰いたかった、って言ってた気がするし。
ただ現世界で彼女が自主的に何したいのかが、私には伝わらなかった。
ずっと誰かの都合に巻き込まれてる感じで。
マルチユニバースの他世界でも能力が開花出来たのは、あくまで他者ありき、と説明されていたように受け取れて。あるときメンターが出てきて彼女が目覚める、みたいの。
巻き込まれる形であっても彼女が自分と向き合えた事は良かったけど、彼女が自主的にしたかったことって?
娘を自己破滅から守って歩み寄ること、だけ、って印象で。
それがテーマだからそうだろ、って言われればそれまでなのだけど。
自分が自主的にしたいことを見つけられないほど、時間的にも環境的にも自分にフォーカスも出来てない、ってメッセージだった??
上手く言語化出来ないけど、それ以上の何かはこの映画から上手く受け取れなかったな、と。
私が没入できなかったから見逃してるかもだけど
何とか時間作って観てきた!
今まで映画でスルーされがちな新しい属性のキャラや演出が盛り沢山、かつ普遍的なテーマを貫いてて、意欲作だな、と。
主人公自体の設定やキャラの厨二感にとまどったり、時々中学男子みたいな下ネタ繰り返したり、ついて行きにくい部分もポロポロあったので、なんか世界観に没入しにくい感じはありましたが。
他の世界では常にすごい私、みたいな、実は優れた才能あるのに今は環境に恵まれてないだけ、って設定にしちゃうの、私には厨二的に感じる、という意味です。
(実はターゲット年齢が思ったより低めなのかな?)
アクションシーンと石のシーンよかったね。
母娘や世代の問題にこのストーリー内で取り組んだのも意欲的だった。
総じて。
私向きではないが、意欲的でエンタメ感もあり、関係者の次作が楽しみな映画でした。
🐍⚡️