ベン・ステイル『マーシャル・プラン』
前半はプランができるまでの過程を追った部分で、素人には些細な違いにしか見えないところで偉い人が争っている様子が延々と続いて話が追えなくなる。いわゆる「厚い記述」っぽい。
後半は対ソ連外交の話で、構図としてわかりやすいのでなんとか読める。
著者はNATOの東方拡大に批判的なのだが、加入した国の意志は無視するのかと思うし、ありがちな「ロシアに敗北感を味わわせてはいけない」に関しても、拒否権を持つ国連常任理事国の地位を保持しているという事実だけで説得力が失せる。
フィンランドの中立にも触れているが、それも環境が変わったしねぇ。
とは言っても詳しさでは随一の研究だと思う。