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第3章 道徳的制約と国家〈経験機械〉 

・功利主義の難点を考えるために(りーふメモ:経験機械の話が突然出てくるのは功利主義批判のためだと私は思っているが、いかんせん唐突すぎるので確信がない)、どんな経験も与えてくれる経験機械を考える。
・直観的には経験機械に繋がれたいとは思われないが、第一に、我々は何らかの事柄を「行いたい」のであって、経験だけが欲しい訳ではないからである。
・第二の理由は、我々が特定の形の存在・人格でありたいと思うからである。経験機械に繋がれてタンクの中を漂っていては何者でもない。
・第三の理由は、経験機械といえども現実の深さは再現できない、逆に言えば、現実との接触を保つことによって予想外の経験をしたいと思うからである。(りーふメモ:予想外の経験もさせる経験機械も原理的に考えられるので、この理由は説得的ではないと思う。)
・自分が特定の仕方で存在したいという願望には「変身機械」、世界に差異を生じさせたいという願望には「結果機械」を考えられるが、いずれも直観的には使いたいとは思われない。このことから、我々が望んでいるのは現実に触れながら自分自身を生きることである、ということが分かる。

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